いよいよ12月。
子どもの頃から
日記をつけているので
時折読み返す。
一年前の今日は
妊娠がわかった日。
ふたりで待ち望んでいたというのに
会社で吐き気と貧血で
動けなくなっても
まさか妊娠だとは思わなかった。
もっと、歓喜にむせぶとか
感激して飛びあがるとか
そんな瞬間を想像にしていたのに
実際は、
ただただ静かに受けとめていた。
まずは自分でしっかり咀嚼しようと
夫にも、誰にも言わず、
犬たちだけに説明して
「無事に育つように祈っていてね」
と話した。
一日ふつうに仕事をして
残業をこなし、
実感のないままの家への帰り道。
駅のホームで
各駅停車の電車を待ち、
快速の車輌から降りてくる人の波を見ていたら
ふいに、
「新しい家族ができるんだ。
子どもがお腹にいるんだ。」
実感を越えた思いがこみ上げて
堰を切ったように涙が一気に溢れた。
通り過ぎていく人の視線もかまわず、
手をぎゅっと握りしめたまま
ホームで泣き続けていた。
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