雨、ときどき快晴。

気の向くまま、風の向くまま、生息中。ただひたすら怠惰に眠るのが、目下の夢。
気の向くまま、風の向くまま、生息中。

ただひたすら怠惰に眠るのが、目下の夢。
「アンジュール」

「アンジュール」

わたしが本が大好きなのを
みんなよく知っていて

娘が産まれてから
友人から絵本をプレゼントされることが増えた。

相手は、わたしが本好きだから
これもあれも持っているんじゃないだろうかと
いろいろ思案しながら選んでくれたと言う。

そのため、「わたしが持っていないだろう本」を
選んでくれるわけで、
自分で買うのとはまた違って
新鮮な気持ちで読める。

絵本自体も、娘とわたしのために選んでくれたことも
うれしくてうれしくて。

日々、娘用の絵本の本棚は充実していく。

娘のためだけではなく、
時折、自分のためにも絵本を買う。

いつか、大人になった娘が手にとってくれたら
いいなと願いながら。

これも、そのひとつ。

「アンジュール」

この物語は、走行中の車から
一匹の犬が投げ捨てられるところから始まる。

モノクロのデッサン画のみで描かれた、
文字がひとつもない絵本は、
シンプルであるがゆえに、非常に力強い。

孤独とは・・悲しみとは・・
人のぬくもりを求め続ける心とは。

最初の数ページですでに
胸がかきむしられそうに苦しくて
絵本に向かって号泣したくなる。

内に秘めていた感情が溢れ出すような絵本だ。
犬好きであれば、なおさら。

本がこれだけ好きでも、
他の人にお勧めすることはほとんど皆無のわたしでも
いつか手にとる機会があったら
開いてみてほしいと伝えたい。

娘もいつか、本棚に並ぶこの本を
手にとる時が来るだろう。

この犬の、底知れぬ悲しみと孤独を
娘が理解するのはいつになるだろう。

10年後か15年後か、
それとも、20年後なのか。

いつかその時が来たら、
娘と語り合いたい。

そばにいてくれる人がいる、
ただそれだけで救われるということを。

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