爪を切る。 | 雨、ときどき快晴。

雨、ときどき快晴。

気の向くまま、風の向くまま、生息中。ただひたすら怠惰に眠るのが、目下の夢。
気の向くまま、風の向くまま、生息中。

ただひたすら怠惰に眠るのが、目下の夢。
爪を切る。

爪を切る。

昨日は会社のおやすみをもらって
父の病院と、叔母のお見舞いへ。

娘は園に行く予定だったのだけれど
前日に微熱でお迎え要請があり、
熱はすぐ下がってきげんもよかったものの、
わたしにくっついて離れなかったので
一緒に連れて行くことに。

娘の体重が重くなるにつれ、
またヘルニアの兆候が出てきたので
叔母の病院では、母に娘を抱っこしてもらった。
叔母も、娘のことをわかっているようだった。

そのあと、父のため肌着や腹巻を買い、
ひとり病院へ向かう。

日によって話ができたりできなかったり、
きげんが悪かったり悪くなかったりするが
(あくまできげんが悪くないだけで、
 良いということはない)
昨日は、週末より話ができた。


熱が出ていたので冷えピタを貼ってあげ、
爪を切った。

父の手はとてもつめたくて
爪のかたちを見たら
わたしに似ていた。

どこもわたしに似ていないと言われる娘の爪が、
わたしにそっくりなのは
父の爪に似ているのだと初めて知った。

静かな部屋に
ぱちん、ぱちんと爪を切る音だけが響く。

突然、どうしようもないほどに
泣きたくなって、
父の爪を切る日が来るなんてと
震えそうに泣きたくなって

気がつけば、父がこうなってから
話すたびに姉が泣いてしまうから
そのたびになだめて、
都度、病状についていろいろ調べたり、
兄や親類に連絡したり、
冷静になろうと努めていたから、
一度も泣けないままだった。

でも今、つめたい父の手を両手でしっかりと握って
一本一本爪を切りながら
必死に涙をこらえていた。

そして、「深爪するな」という
相変わらずの父の悪態に笑い、
泣かずにいられた。

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