さよならククイ。 | 雨、ときどき快晴。

雨、ときどき快晴。

気の向くまま、風の向くまま、生息中。ただひたすら怠惰に眠るのが、目下の夢。
気の向くまま、風の向くまま、生息中。

ただひたすら怠惰に眠るのが、目下の夢。
さよならククイ。

さよならククイ。

日曜日と昨日は、恵比寿へ行った。
結構無理をしての、外出。

白金にてハニョとふたりで暮らしていた頃、
すぐ近所に一軒のカフェがあって、
そこは、わたしとハニョの安らぎの場所だった。

素敵なカフェやおしゃれなカフェは
土地柄そこらじゅうにあったのだけれど、
交差点の裏にぽつんと佇む、
屋根のある小さなカフェが
なんとなくずっと気になっていた。

とある日にやっと仕事帰りに行ってみたら
当時まだ27歳だった、歳の近い店主の女の子に
親しげに話しかけられて、その時には
「わたしはカフェは、本を読んだり、
ひとりぼーっとするために来ているんだけどなぁ」と
思って、少し戸惑ったことがとても懐かしい。

そのカフェは都心部に暮らす若者たちの集いの場で
いつも誰かしらがいて、時には大勢で、
時にはふたりで静かに、語っては笑うのだった。

その後ハニョを迎え、散歩の時に通ると
「ハンニバルだ!おいでよー!」と言われて寄り、
そこからは、ハニョを伴っていくことがほとんどだった。

いつしか、お店に入ると
「やえちゃんだ」と言われるよりも
「ハンニバル来たんだねー」と
皆に言われるようになり、
わたしと会ったことがなくても
「ハンニバルの話、聞いたことあるよ」と
話しかけられることも増えた。

お店が恵比寿に移転したあとも、
ハニョはカフェに行くのがうれしくてうれしくて
恵比寿駅に近い道を一本入ると
ぐいぐいリードを引いていた。

カウンターの椅子に座ると
ハニョは身体が大きいのに、
うつぶせになりたがって
そういう時には、隣の席の人の膝の上に
おしりを置かせてもらうのだった。
そしてふと気が付くと、いつもいつの間にか
誰か知らない人の膝の上に座って
可愛がられていたね。

みんなから愛されていたククイカフェ。
明後日の土曜日で9年の歴史が終わる。

閉店前にどうしても行きたくて
スケジュールを無理にでもやりくりして
日曜日と昨夜、行ってきた。
本当は、本当はハニョを連れて行きたかったけれど。

最終週もやっぱりハニョの話が出たよ。
初めて行った時は、仔犬だったね。

久しぶりの恵比寿に降り立つと、
どうしてもハニョとの思い出があふれ出て
泣きたいようなせつなさでいっぱいになった。
ここもあの道も、いつもハニョと歩いてたなぁと
懐かしさでいっぱいで。

家に遊びに来る友だちを迎えに行き、
ベンチのそばでハニョと一緒に待っていると
足元でわたしを見上げて、笑っていたね。

今まで暮らした中でいちばん思い出深い町。
そして、大好きなカフェ。

さよならククイ。ありがとう。また。

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