ノルウェイの森 | 雨、ときどき快晴。

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気の向くまま、風の向くまま、生息中。ただひたすら怠惰に眠るのが、目下の夢。
気の向くまま、風の向くまま、生息中。

ただひたすら怠惰に眠るのが、目下の夢。
ノルウェイの森

ノルウェイの森

昨日は午後から、父の入院する病院にて
担当医との面談だった。

非常に良くない話と
非常にうれしいことがあった。

まずは、まったくうれしくない話。

これまで長い時間をかけて
たくさんの転院先を探して
やっと、先月ようやく、療養型のこの病院に
転院できたというのに、
また転院しなくてはならないと告げられた…

思いもよらない話で、しばし茫然。
だってここは、リハビリができるのと
退院時期の期限がないというのが
大きな理由で選んだから。

なんでも、父の状態が小康状態で安定し、
杖をついてゆっくりなら歩けるようになったので
寝たきりの患者中心のここでは
看られなくなってしまう、と…

とはいえ、ゆっくり歩けるだけで
階段も降りられなければ、
もちろんお風呂などもひとりでは入れない。
食事も三食用意しなければ食べられない。
脳症からくる記憶障害のようなものもひどく、
話したことを覚えることもできないし、
薬を忘れず飲むことも難しい。
こんな状態でひとりで自宅には帰れない…

父のように、末期で積極的治療はせずに
最期まで診てもらえる病院を見つけることは
日本では本当に難しい現実。

胃に穴を開ければ、もしくは気管切開をすれば
すぐ入院できるなんて、おかしい。
まるで寝たきりの推奨ではないか…
そのほうが病院は管理しやすく、
お金も入ってくるのだと
医療従事者の人が悲しげに教えてくれた。

どんなに入院しやすくても、
それは絶対にしないと決めている。
自発的な食事と自発的な呼吸。
それかできなくなったなら、
機械の力を借りてまで
生き長らえることはしたくない、という
父の気持ちを最期まで尊重したい。

もうひとつのほう。うれしかった話。

写真は、「ノルウェイの森」

驚くことに、何年かぶりに
父がふたたび本を読み始めた。
病気が重くなるにつれて起きていられなくなり、
大好きだった読書から長らく離れていた。

それが、急に読みたいと言って
兄がたくさん持ってきたらしい。

椎名誠の旅のエッセイや
古い小説などはあっという間に読んでしまい、
次に兄が持ってきたのが「ノルウェイの森」

赤と緑のコントラストが懐かしい。

ノルウェイの森では、病院に見舞うシーンがあって
病室でポリポリときゅうりを食べるんだよね。

また、父と本の感想を話し合える日が
来たのだろうか。

さて、また病院探しを一からやり直しだ。
気持ちを切り替えて、また頑張ろう。

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