夢をふたたび。 | 雨、ときどき快晴。

雨、ときどき快晴。

気の向くまま、風の向くまま、生息中。ただひたすら怠惰に眠るのが、目下の夢。
気の向くまま、風の向くまま、生息中。

ただひたすら怠惰に眠るのが、目下の夢。
夢をふたたび。

夢をふたたび。

週末、父に会った時、
「村上春樹はノーベル賞残念だったなぁ」と言っていた。
ニュースもわかる(興味が出る)ようになったんだと
驚いた。

小さな棚の上に並んだ本を指差し、
「ここらへんのは読んだから持って行っていいよ」と言う。
父とは学生時代から
よく本の貸し借りをしていた。

闘病が始まって久しく読書から離れていたけど
少し前から再び読めるようになって
兄が見繕って、時々持って行っている。

一番上の冊子を手にとって持って帰ってきた。

文芸誌も好きな父。
でも、この文芸誌の特集は・・・!!
「死と看取りの常識を疑え」って。
これを病床の父に。。
兄は何も考えずに買ったんだろうな(^_^;)


ちょうどこの日は、
阪神がCSで巨人に3連勝をした翌日で
父はとてもうれしそうだった。

「今日勝てば決まるなぁ〜」と言いながら
消灯が9時だから、それまでしかテレビを
観られないことを気にしていた。

父と阪神の話題で喜べたのも、とても久しぶり。
父の体調の事はもちろん、
阪神も優勝から遠ざかっていたからね。

15年以上も前から父は、自分の夢は

◇阪神の優勝をもう一度見ること
◇わたしの子どもを抱き上げること

このふたつだと公言していた。

当時阪神は弱小チームだったし、
若かったわたしは結婚願望がまるでなかった。
父の切なる願いが叶うかどうか、わからなかった。

でもその後、2003年に18年ぶりに阪神は優勝し、
常勝チームの仲間入りをした。

そして3年前に、
父は小さな小さなこつぶを抱っこした。

父の願いはふたつとも叶った。

普通なら喜ばしいことなのに、
まるで「叶ってしまった」と思うがごとく、
阪神の応援も以前より身が入らなくなり、
こつぶが産まれてしばらくしてから
入退院を繰り返すようになった。

「もう願いが叶ったから、いつ死んでも悔いはない」
と言うようにもなった。
生きる希望がもうなくなってしまったかのようで
悲しかった。

そこへ来て、9年ぶりとなる、
阪神の日本シリーズ出場。
当初は冷ややかな目で見ていたわたしも
願いをかけるようになった。

そして、持って行った七五三の写真を見ながら
父がふいに言った言葉。

「可愛いなぁ。大きくなったなぁ。
これで、もうひとりいたらいいなぁ・・」

心配させるからと、
妊娠の事は父には言っていなかった。
でも、ここしかいないと思って言った。

「お父さん、今お腹にいるんだよ。
予定日はお父さんの誕生日の前日だよ」

父はびっくりして、それは喜んだ。
「よかった、よかったなぁ」と何度も言って
「次は男の子がいいな」と笑って。

父が夢として描いてきたことが
まさかもう一度、
それもふたつ同時期に重なるなんて
こんなことはおそらくもうないだろう。

父が笑顔を取り戻してくれて
本当にうれしい。
それがひとときであっても。

夢をふたたび、ありがとう。

父の心の高揚と穏やかさが
このまま長く続きますように。

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2014.10.23 11:15 *Hanaちゃん

Hanaちゃん、ありがとう。
読みながらいろいろ思い出して、
そしてHanaちゃんの気持ちに胸を打たれて
電車で涙してしまったわ・・・

そんな思いをさせてしまったなんてつゆしらず、
心配をかけてしまっていたこと、ごめんね。

あの時は、病院で、緊急だから夫をすぐ呼ぶようにと言われて
仕事から急いで駆けつけた夫とふたり、
大学病院の個室で、先生方やチームの看護師さんを前に
「赤ちゃんも大事だけど、このままだと母体が危ない。
今日一日も待てない」と説得されて、
オペの同意書にサインするように言われたんでした。

わたしはただ頭が真っ白で涙しか出ず・・・
でもあの、ちょっとおっちょこちょいな夫(!)がとても冷静に
「母体優先にして下さい」と即断して、サインしたんだ。
先生も周囲の人もみんな「赤ちゃん頑張れ、お母さん頑張れ」と
必死に言ってくれて・・・
結果、今むすめが元気な姿で隣にいてくれて、
本当に感謝の言葉しかありません。

想いが通じた中に、Hanaちゃんが祈ってくれた、
その気持ちもあったんだね。ありがとう。

今回も、どうか無事に対面できるように
心の片隅で、そっと祈ってもらえたらうれしいな。

2014.10.22 17:20
Hana
こつぶちゃんが、まだおなかの中にいるとき。こつぶちゃんの命があぶない時がありましたね。
直接的に書かれていた訳ではなかったけれど、ブログのその記事を読んだ時
私は乗り換えで新宿駅のごったがえしたターミナルにいて、胸がものすごくドキドキして、トイレの側の端に避けて、心臓に手をあてて祈った。
どうか健やかにと。
それからお家に帰ってもう一度それはそれは馬鹿みたいに真剣に祈ったことを思い出します。
かける言葉もできることもなにもなくて。

いまはね、
やえさんと小さな命がいつも守られて健やかでいますように。
この先、どんなことがあっても、たとえほんの短いひとときでも。やえさんがどうか毎晩ぐっすりとよく眠れますように。

ってお祈りしています!
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