雨、ときどき快晴。

もうすぐ０時。
明ければ、息子が１歳になる。

もしまた授かる奇跡のようなことがあって
でも、それでもやはり無事に出産まで至らなかったら
一人っ子でもいいかと
限界のような気持ちで夫に尋ねたことが
ついこの間のことのようだ。

「成長が止まってしまったのは
誰のせいでもない。
どうにかして防げたことでもない。
たから絶対に自分を責めてはいけない」と
繰り返しわたしに言い聞かせた先生の声の響きも、
ただガタガタと震えが止まらないわたしの肩を
助産師さんが抱き寄せて
「大丈夫よ。大丈夫。」と言い続けてくれたことも。

「一人授かっただけでも幸せなこと。
娘を大事に育てていこう」と
夫婦で話し合った夜の重さも
その時に膝の上に折り重なっていたハニョシャビのあたたかさも
すぐそこにあるように覚えている。

何も伝えていないのに、何かを察したように、娘に
「ママ、しーちゃん、あかちゃんと仲良くできるよ。
しーちゃんとあかちゃんが仲良くなかったら、ママかなしいでしょ・・・
でも、なかよしだったら、ママかなしくないよね」
と言われて驚いた日のことも。
娘に悟られないように毎夜泣いていたことを
知っていたのだろうか。

そのときは、こんな日が来るとはとても思えなかった。

もがくような苦しさと
慟哭のような悲しさは
乗り越えられたわけではなく、
忘れられることでもない。
その感情とも一緒に生きていこうと
思ってから、ずっと気持ちが楽になった。

今日も、ありがとうと思う。
明日も、ありがとう、と。

ひとり静かに、深呼吸する。

もうすぐ明日になる。