近ごろの、娘との日課。
園庭でふたりして身体をのけぞらせるように
空を見上げて、飛行機を探す。
自転車に乗るのを怖がっていた娘が、
座席から見上げた空に飛行機が飛ぶのを見て
「あれ、なんだ?」と指をさし、
「飛行機だよ。空を飛ぶんだよ」と
教えてから、自転車が怖くなくなった。
それから毎日、保育園からの帰りに
園庭で一緒に飛行機を探し、
自転車に乗っていても娘は空を見つめている。
「あった!いた!」
「ひこうきさーーん、まってー!」
娘は飛行機に向かって走り出す。
見つけた時には、
わたしも子どもに還ったようにうれしい。
ほぼ毎日見つけている。
「ちーちゃんはラッキーガールだね」
「ラッキーって、なんだ?」
日一日ごとに空が高くなるのを感じ、
宵がやってくるのが早くなり、
先週あたりからは、お迎えの時には
もうだいぶ暗くなって、
なかなか飛行機も探せない。
帰り道に飛行機を探すのは、
春から夏のお楽しみになるのかな。
そんなことを話しながら帰ると、
群青が折り重なる暮れゆく空に
まばゆい光を放ちながら、飛行機が瞬いた。
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