最近、読むものといったら、
部屋数は何床だとか、
ユニット式(個室)か多床部屋かとか、
環境は良いかとか、面会は何時までとか、
父の転院先候補の大量の資料ばかりで
しかも未だに受け入れ先が決まらないので
どんどん煮詰まっていた。
腹痛まではじまる始末。
ストレスが身体に来ているのをひしひしと感じて
いったん資料は手から放すことにした。
それで、些細な日常をていねいに綴った良質なエッセイを
たまらなく欲した。
幸田文さんや武田百合子さんがいいかな~と思ったけど
佐野洋子さんのエッセイを買ってみた。
その名も「役に立たない日々」
じわじわと、良い題名だなぁ。
佐野洋子さんといえば
言わずと知れた著名な絵本、
「100万回生きたねこ」の作者だが、
読みながら、
実はこんなに豪快で口の悪い人だったのか、と驚いた。
そして笑った。時々笑いで肩がふるえる。
口の悪さの中に情があり、繊細さがある。
素敵な人だなあ。
絵本もよかったけれど、エッセイのほうがすきだ。
が、このまま笑いで突っ走るのかと思ったら
11歳で亡くなったお兄さんの話に泣き、
さらにご自身も癌の告知をされるではないか…
そしてまたその死生観に考えさせられる。
なんだなんだ、結局また、
看取ることについて考えてしまうなんて、と
思いながらも、やはり本を読むのは楽しい。
読める心がうれしい。
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Comments
http://unbe.tuna.be
そう、以前は谷川俊太郎のご夫人だったのですよね。
なんとなく主婦業をしているのが想像もつかない豪快さで
読んでいて清々しかったです。
言葉の端々に情があふれるところも。
今度機会があったら手にとってみてください(^^
「100万回生きたねこ」少し前に再読したばかりなのに
また読みたくなってしまいました。
読み手によって、そしてその時の気持ちによって
感想がかわる、不思議な絵本ですよね。
http://unbe.tuna.be
marthaさん、大好きだったんですね!
絵本作家であるということと、
母親との確執を本に書いたことは知っていましたが
エッセイは初めてでした。
今回は小説ではなく、どうしてもエッセイが読みたかったのですが
佐野さんでぴったりでした。もう読み終わるのが惜しいです。
追悼特集のもの、チェックしてお気に入りリストに入れていました!
もう、しばらくは本は増やすまい、と思っていたのですが
marthaさんもオススメして下さったし、
それを後押しとしてやはり買うことにします(笑)
「100万回生きたねこ」はいつかこつぶにも読んでもらいたいです。
大人でも考えさせられるあの絵本に
子供の感性はどう響くのか、今から楽しみにしておきますね。
もう昔昔の本なのに、今も読まれていていろんな解釈をされて、本って絵本もだけど不思議です。書いた本人の思惑とは違って、予想もしない捉え方をされてたりして。でも、それって、それだけいろんな人にいろんな影響を与えているってことだから、すごい!
エッセイは読んだことないので、今度見かけたら手にしてみます。
以前から、「100万回生きたねこ」にこつぶちゃんがどんな反応をするだろうか、と考えておりました。
『死ぬ気まんまん』もぜひ!
あと、別冊文藝から出てた追悼特集もおすすめします。